ママ活で一定以上の収入を得ている男性が意識しておかなければならないのが税金の支払いについてです。
たとえママ活を秘密に行なっていたとしても、収入と納税額の差があれば税務署からの調査を受けることになります。
正しい税金の処理をしていないと結果的にママ活が表に出てしまうこともあるため、まずはママ活で発生する税金とその対処法について知っておくようにしましょう。
ママ活で得たお金にかかってくる税金!「贈与税」か「所得税」
他人から贈られた金品には「贈与税」というタイプの税金が発生します。
贈与税の対象となるのは現金だけでなく、アクセサリー類やクルマなど資産的価値のあるものなら全て対象になると考えておいていいでしょう。
ただし「社会通念上相当」な範囲の贈り物は贈与ではなく「贈答」という区分になり、贈与税の対象外となります。
社会通念上相当との判断はあくまで世間の常識と照らし合わせた場合の曖昧なものであるため、たとえば子どものお年玉など明らかに常識的なもの以外は贈与と贈答の差を自己判断するのはかなり難しくなっています。
また、女性側が節税目的などでママ活契約を正式な雇用契約としてまとめる場合があります。
個人事業主としての契約や秘書などの社員待遇でママ活契約をしていた場合のお手当は立派な「所得」となってしまうため、そこには所得税が発生することになります。
所得税は贈与税以上に申告に関して厳しい審査があるため、こうした契約を結んでいる際は特に注意が必要になります。
ママ活でいくら稼いだら税金が発生する?具体的な金額とは
贈与税の納税義務は年間110万円を超えると発生する
贈与によって得たお金が年間で110万円を超えると申告の義務が発生します。
この年間110万円というラインは一人からの贈与ではなく、受け取った総額によって判断されるところがポイントです。
たとえばママAから年間60万円、ママBから同じく年間60万円をもらっていた場合は合計額が120万円となるため贈与税の対象となります。
またママから毎月定期的にもらうお金を9万円以内に抑えて年間110万円を超えないようにコントロールしていたとしても、旅行の際などに追加でお小遣いをもらってしまうとその金額も加えて贈与税の計算をすることになるので注意しましょう。
給与や報酬として受け取る「所得」は年間20万円が納税ライン
個人事業主として男性と契約したり、名目上ママの会社に雇われる形式でママ活を行なっている場合には、その報酬が所得税の対象になります。
所得税を納める必要があるのは年間で20万円を超える「給与・報酬」を得た場合です。
贈与として受け取ればセーフとなる金額であっても所得として計算されてしまうとあっさり限界を超えてしまうため、ママ活の際は契約内容をきちんと把握しておくことが重要になります。
ママ活を雇用形態にするメリットは、主に節税が可能になる男性側にあります。
男性側は会社が副業を禁止している場合の規定に引っ掛かってしまう恐れもあるなど、あまりメリットのない形態となっています。
そのため雇用契約をしていてもまとまったお金は贈与に当たる形で受け取ったり、副業が会社にバレないように住民税の徴取方法を「自分で納付」に変更するといった対策を取るようにしましょう。
高額プレゼントを受け取ると簡単に年間110万円を超えてしまうことも
贈与品が現金でない場合にもその価値が110万円を超えていると判断されれば贈与税がかかってくることになります。
現金20万円とクルマを受け取り、そのクルマの価値が100万円と判断されるとやはり合計120万円で贈与税の納税義務が発生するということです。
マンションなど明らかに高額な贈り物は贈与税の対象になることがわかりやすい反面、宝石や高級時計などは値段を聞いておかないと自分では贈与税の対象になるかどうかの判断がつかないことがあります。
特に複数のママから様々なプレゼントをもらっていると、合計金額が110万円を超えてしまうことはよくあるので気をつけましょう。
他にも家賃を肩代わりしてもらうといった定期の支払いをママ頼みにしていると、その支払いを贈与と判定されて年間110万円を超えてしまうことがあります。
ママ活で得た報酬に対する税金未払いがバレてしまうことはある?
過去、実際にママ活で税金未払いを指摘されたり脱税で逮捕された事例はほとんど見られません。
しかしこれはママ活が最近生まれた副業形態であることが一番の理由で、これだけママ活が流行してきた以上は税務署も今後ママ活絡みの税金未払いに厳しく対処していくことが十分予想されます。
実際にここ最近、少数ながらママ活絡みと思われる税金トラブルの報告が増えてきています。
有名なケースだと「ギャラ飲み」のアプリを運営する会社に国税庁からの調査が入った事例が報告されています。
これはあくまでアプリ会社への調査ですが、似たようなことが利用者に起こる時期はそう遠くないでしょう。
銀行振込からの発覚やSNSからバレるケースはあり得る
実際にママ活の税金未払いが発覚するパターンとして強く想定されるのは、銀行振込からの発覚です。
銀行口座のお金の動きは取引の物的証拠が全て残ってしまうため、言い逃れができません。
110万円を超える不明瞭な収入があると調査対象になってしまう可能性は高いでしょう。
またママ側が調査を受けた際に、芋づる式に調査されてしまう危険もあります。
もう一つ注意しておきたいのがSNSでの情報発信です。
納税額に見合わないような羽振りの良さをSNSで匂わせていると、そこから税務署が目をつけて調査が入る可能性があります。
ママ活の税金の未払いがバレた際の罰則とは?
罰則は「無申告加算税」と「延滞税」の2種類
税金を納めなかった場合の罰則は主に無申告加算税と延滞税の2種類です。
延滞税についてはレンタルサービスの延滞料金をイメージするとわかりやすいでしょう。
期限までにお金を支払わなかった場合、延滞した時間に応じて追加料金が発生するという仕組みは延滞税でもほぼ同じとなっています。
具体的には法定期限の2ヶ月以内には「未納税×年率7.3%」の延滞税が発生します。
さらに法定期限から2ヶ月を超えてしまうと「未納税×年率14.6%」という倍の延滞税がかかることになります。
そして無申告加算税は、そもそも税金の申告をしなかった事実に対するペナルティとなっています。
これは単なる延滞よりも重いペナルティとなるため特に注意が必要です。
法定期限後に自主的に申告をした場合であっても「納税額×5%」の無申告加算税が上乗せされます。
税務署からの指摘を受けてから申告した場合は「納税額×15%〜20%」という金額にまで罰則金は跳ね上がりますが、これはあくまで「意図的ではない納税忘れ」と判断される場合です。
もし「意図的に税金支払いを隠蔽した」と判断されると罰則金額は「納税額×40%」にもなります
「脱税」と判定されると逮捕されてしまうことも
たとえ40%もの無申告加算税が発生したとしても、追加の税金支払いで済むならまだ問題は軽微であるとも言えます。
何故なら納税に対する「意図的な隠蔽」とは脱税容疑に他ならないからです。
脱税に対する刑罰は十年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金という非常に重いものです。
実際に脱税で逮捕されるケースは組織ぐるみであったり高額納税者への身辺調査で発覚するケースがほとんどで、一般人の収入の範囲で逮捕にまで至るのは考えにくい話ではあります。
しかしママ活でのマンション購入など派手なプレゼントをもらっていると脱税逮捕にまで発展する可能性もゼロとは言えないので、注意するに越したことはないでしょう。
ママ活で稼いだお金の税金を払いたくない人は
どうしても税金を支払いたくないのであれば、現状の対応策としてはママ活で得る資金を年間110万円以下に抑えるしかありません。
1ヶ月のお手当を9万円までと決めておけば12ヶ月でも108万円に納まるため贈与税を支払う必要はなくなります。
ただし、そのためには毎月のお手当を固定制にしてもらった上でその他のプレゼントを一切受け取らないようにママ活をする努力が要求されるでしょう。
これでは相当ストレスの溜まるママ活となってしまうため、抜け道として「贈答」に当たるであろうプレゼントを考えておくのがおすすめです。
贈与と判定されない「社会通念上相当」な贈答の範囲は非常に曖昧ですが、1万円前後のプレゼントであれば問題になる可能性は限りなく低いと考えていいでしょう。
ママ活では経費による節税はできない
仕事にかかった必要経費を計上することで納税額を減らすのは節税の基本ですが、この手法はママ活には使えないため気をつけましょう。
ママ活をする際には交通費や旅費、自分磨きのためのファッションアイテム購入など様々な経費が必要になることは確かです。
場合によっては逆にママにプレゼントをして機嫌を取ったり、長時間のネット通話で通信費がかさむといった事態も起こります。
しかし、その見返りにママ活で得られる収入は何度も言うように基本的に「贈与」として処理されます。
贈与というのは相手が一方的に贈ってくるものですから、それを得るために「経費がかかった」という理屈は成立しないことになります。
所得としてお手当をもらう契約をしていた場合には経費が適用される可能性はありますが、その際は納税手続きが複雑になることは覚悟して起きましょう。
ママ活で得たお金の納税のための確定申告の方法
税金の支払いには確定申告が必須
税金を納めるためには確定申告を行う必要があります。
確定申告は年間110万円以上の贈与を受けた人、もしくは年間20万円以上の副収入所得を得た人には必須の作業です。
確定申告のためには書類に必要事項を全て記入した上で、期間内に税務署に提出することになります。
そのためママ活で得た金額を日頃からまとめていないと確定申告時に困ってしまうため、レシートなどは捨てずにまとめて取っておくようにしましょう。
確定申告には複数のやり方がある
確定申告の具体的なやり方は複数あるので自分に合った方法を選びましょう。
基本的なのは管轄の税務署に直接出向いて、職員と相談しながら書類を作成する方法です。
この方法であれば納税ミスがなくなるので安全性を優先するなら一番ですが、ママ活で得た収入を相談したくない場合や十分な時間が取れない場合は自分で確定申告をする方法を試してみましょう。
自分で書類を取りにいって手書きをするだけでなく、最近は確定申告ソフトの「freee」を使った書類作成も便利です。
またオンライン上だけで確定申告を完結させることが可能な「e-tax」というシステムも近年主流になりつつあります。
しかし正確な確定申告を自力で行うには、かなりの知識が要求されることは間違いありません。
ママ活の税金についてはどこに相談したらいい?
ママ活で得た収入がずっと無申告になっていて、追徴課税が発生しないか不安になっている人もいることでしょう。
そうした場合はまず税金の専門家に相談することをおすすめします。
弁護士事務所や公認会計士事務所、税理士事務所などでは守秘義務を堅持した上でのあらゆる税金の相談に乗ってもらうことができます。
ママ活をしていることを他人に話したくないという人であっても、こうした場所でならプライバシーを守った状態で税金の相談が可能です。
ママ活に関する税金についてのまとめ
ママ活で得たお金は贈与税もしくは所得税の対象となります。
贈与税の場合は年間110万円、所得税では年間20万円を超えると納税の必要が生じるので必ず確定申告をして期限内に税金の支払いを済ませましょう。
もし期限を過ぎてしまうとペナルティで税金の額がどんどん上がっていき、最悪の場合は脱税の罪を問われる可能性も出てきます。
納税のためには確定申告についての知識をしっかり身につけておくことも重要です。
わからない場合は税金の専門家に相談をしながら進めていきましょう。